認知症グレーゾーンとは?
認知症グレーゾーンとは認知症一歩手前の段階のことで軽度認知障害(MCI)と呼ばれています。
65歳以上の高齢者で6人に1人が該当し、現在約558万人と推定されています。
出典:厚生労働省 2022年
認知症グレーゾーンの40%が5年以内に認知症になると言われており、早めに気づいて手を打って健康な脳に戻すことが大切です。
グレーゾーンの状態ならUターンできますが、完全に認知症になってしまうと後戻りできなくなります。
認知症グレーゾーン経験者によると次の初期症状が出たそうです。
・雨戸を閉めたつもりで閉めていない状態が1週間で3回続いた。
この方はアルツハイマー型の認知症グレーゾーン(入口)と診断されました。
アルツハイマー型の認知症とはアミロイド-βなどのたんぱく質が蓄積して脳が萎縮する認知障害のことで、記憶の中枢にある海馬の働きが落ちて物忘れが増える症状が出ます。
うっかり忘れるのは認知症ではなく老化ですが、「しっかりやるぞ」と決意したのに繰り返し忘れるとなると認知症が疑われます。
一般的に物忘れだけではなく、幻視という症状も出ます。
認知症の初期症状は些細なことで怒る、財布の中が小銭だらけ、でき合いのお惣菜で済ますなどの日常生活上の兆候でも判断できます。
また、集中力や感情などをコントロールする前頭葉の機能低下により、趣味に興味がなくなったり、仕事の意欲が低下したり、何事にもやる気がなくなったりする無気力症状が出ます。
グレーゾーンからのUターンの鍵
運動のやり方:本山式トレーニング
教えてくれたのは健康運動指導士の本山輝幸さんです。
運動のやり方の効果の理由
有酸素運動、筋トレ、バランス運動など人間は身体を動かすことで脳が刺激されます。
認知症になりやすいタイプの方は身体を動かした時の刺激が脳に戻る感覚神経が鈍いという特徴があります。
感覚神経を再構築することで脳が回復する可能性があります。
感覚神経が衰えていると筋トレしても疲れ・痛みを感じないことが多く、運動して感覚神経を回復させることで認知機能を上昇させることができます。
運動のやり方
①椅子に座って片足を伸ばします。
②片足を上げられる所まで上げます。
③片足ずつ10回 1セット行います。
ポイント:太ももの痛さを意識しながら行います。
④ ①から③を週3回行うのがオススメです。
この運動なら簡単にできそうですね!
認知症グレーゾーンに効果がある食材とは?
DHA
体内で合成できない不飽和脂肪酸のひとつDHAが豊富に含まれている青魚がオススメです。
DHAは脳の健康を維持するには良い食材です。
カマンベールチーズ
グレーゾーンの人が食べると血中BDNF濃度が増加したという実験結果があります。
BDNFとは神経細胞の成長や維持などを促進する脳由来の神経栄養因子です。
軽度認知症と診断された高齢女性71人に1日2ピースのカマンベールチーズを3か月間食べさせた結果、血中BDNF濃度が高くなりました。
カマンベールチーズは認知症グレーゾーンの高齢女性の記憶・学習効率を改善させる可能性があります。
認知症グレーゾーンに効果がある生活習慣
ワクワクやドキドキなどの感情を刺激することが大切で新しいことに挑戦したり、恋愛ドラマを観たり、推しタレントを応援するなどすることも脳に良い影響を与える可能性があります。
わくわくすることがない場合は料理を作るのがオススメだそうです。
料理は前頭葉を使う作業であり、2つ以上のことを同時に進めることでとても優れた脳トレとなるそうです。
また、人とのコミュニケーションも効果があります。
人の話を聞いて脳で理解し、返事を考えて声に出して伝える必要があるため、良い脳トレになるそうです。
認知症グレーゾーンに効果がある新薬
アルツハイマー病の治療薬はこの2年間で2種類出ています。
脳内に蓄積した脳のゴミであるアミロイド-βを点滴で薬を投与することで選択的に脳内から除去する機能があるそうです。
2023年12月にレカネマブ、2024年11月にドナネマブが新薬として承認されています。
レカネマブはアミロイド-βが塊になる前の毒性の強い小さなアミロイド-βを除去する効果があります。
ドナネマブはできたアミノイド-βの塊を除去する効果があります。
この2種類の新薬は認知症の進行にストップをかけて、進行を7〜8か月遅らせる効果が期待され、認知症治療に新たな可能性が生まれたと注目されています。
しかし、これらの新薬は認知症とまだ言えない方でないと使用はできません。
新薬の治療対象者は軽度認知症(MCI)や軽度認知症の早期アルツハイマー型認知症(認知症グレーゾーン)の方に限定されるそうです。
そのため、認知症グレーゾーンにいち早く気づいて病院へ行くことが回復するために非常に大切です。
まとめ
認知症を予防するうえではグレーゾーンの段階で早く気づいて、病院で治療を始めることが一番の対策ですね!
認知症になる前からでも運動や食事や生活習慣に日頃から気をつけて予防対策を行っていくことも大切ですね!