【トリセツショー】カチカチ心不全!その原因・症状・予防法まで

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サラリーマンが街中で左胸を抑えて苦し気な表情

2025年5月15日トリセツショーでカチカチ心不全について紹介されました。

教えてくれたのは日本心不全学会理事 藤田医科大学医学部教授 井澤 英夫さんです。

「カチカチ心不全」は、今特に要注意な心臓病の一つです。

予備軍は4000万人以上いると推定され、男女問わず、誰でもなる可能性があります。

正式には心臓の拡張不全とも呼ばれ、心臓が衰えて、十分に血液を送り出せない状態を指します。

心臓の壁が分厚くなることで心臓の機能がいつの間にか衰えている人が急増しています。

以前は主に心筋梗塞や弁膜症など、心臓が弱った結果と考えられていましたが、「カチカチ心不全」は異なり、心臓の異変や体の不調の自覚がないまま衰えてしまうことが多いです。

カチカチ心不全

原因

カチカチ心不全の原因は、特別な病気ではなく、身近な生活習慣病で、最大の原因は高血圧です。

高血圧になると、全身の血管が硬くなったり細くなったりし、血管が硬く細くなると、心臓は強い力で血液を送る必要が生じ、心臓にハードな筋トレのような負担がかかります。

この負担が続くと、心臓の筋肉の細胞(心筋細胞)が大きくなり、心臓の壁が分厚くなっていきます。

壁が分厚くなった心臓は、ポンプ機能は一時的に高まりますが、うまく広がることができなくなり、血液が十分に心臓に入らなくなり、カチカチになります。

高血圧の他にも、糖尿病、コレステロールが高いこと、腎臓が悪いこと、肥満などの生活習慣病も原因となります。

これらの生活習慣病が十分にコントロールできていない場合、若い方(30代くらいから)でもカチカチ心不全になることがあります。

症状

カチカチ心不全は、心臓に異変が起きても、初期には自分で気づくことがとても難しいです。

心臓が硬くなっても、心拍数を上げたり、心臓の壁を伸ばしたりして、なんとか血流を保とうとするため、不調が表に現れにくいです。

しかし、心臓は気づかないうちにあるSOSを出しています(採血で分かるBNPなど)。

進行すると、心臓に十分な血液が入らなくなり、肺に水が溜まって苦しくなることがあります。

まるで溺れているような症状になることもあり、肺に水が染み出すと、レントゲン画像が白く映ります。

さらに進行すると、血液の循環が悪くなり、息切れやむくみが初期症状として現れます。

「体を動かすと息切れがする」(例:階段を2階まで前は楽に上がれたのに、途中で休まないと上がれなくなったなど)、これは老化だと思ってしまう人も多いです。

「むくみ」(例:足のむこうずねを指で押すと、指の跡が残る)。

予防法

カチカチ心不全は、心臓を「至る(いたわる)」ことで予防でき、働き者の心臓の負担を軽くして休ませてあげることが大切です。

予防の基本は高血圧対策で、高血圧対策は、運動と減塩が基本です。

野菜などに含まれるカリウムは血圧低下をサポートしてくれます。

心臓を休ませる方法として、「第2の心臓」である足の筋肉を鍛えることが有効です。

ふくらはぎなどの足の筋肉を鍛えると、筋肉が血管を絞り、血液を心臓に戻すのを助け、心臓の負担が軽くなります。

足を使うことは、血圧や血糖値の異常を抑えるホルモン放出にもつながり、心臓を保護してくれます。

筋トレだけでなく、「歩くこと」のような簡単な動きでも心臓の負担を軽くできます。

効果的な歩き方として、膝を前に出し、足をしっかり上げる(太ももを水平にするくらい)ことを意識すると太ももやふくらはぎの筋肉が鍛えられます。

目安は1日8000歩を週に3日ですが、できる範囲で行うことが大事です。

さらに効果を上げるには、少し早歩き(家族と話せる程度、鼻歌を歌える程度)が良いでしょう。

残念ながら心臓そのものは鍛えられませんが、足を鍛えることで心臓を休ませ、心臓の長生きを助けることができます。

※注意点
過去に心臓病と診断された方は、必ず医師の指示に従い、勝手に運動しないでください。

まとめ

「カチカチ心不全(拡張不全)」の早期発見には、採血で分かるBNP検査が有効です。

予防のためには、「第2の心臓」と呼ばれる足の筋肉を鍛えること(特に歩くこと)が効果的で、足の筋肉が心臓の働きを助けてくれます。

高血圧対策の基本である運動と減塩も大切です。

自分の心臓に関心を持ち、生活習慣を見直して心臓をいたわる「心臓孝行」を始めてくださいね!

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