2025年8月4日放送の街録ZIP!で東大生に影響を与えた一冊について紹介されました.
東京大学の学生たちは、幼い頃にどのような本を読み、それが彼らの人生にどのような影響を与えたのでしょうか?
番組では、東大生が小学生の時に読んで「ためになった」と感じた4冊の本を厳選して紹介しています。
彼らの学問や人生観に大きな影響を与えた本とその具体的な学びを見ていきましょう。
この内容は、子どもを持つ親御さんだけでなく、私たち大人にとっても、改めて読書の価値や、どのような本を選ぶべきかを考えさせてくれる良いきっかけとなると思います。
東大生がためになった一冊
世界で一番美しい元素図鑑
世の中の物質の元となる「元素」(現在118個)を分かりやすく解説した図鑑です。
各元素が見開きで紹介され、それを含む身近なものが写真で紹介されています。
これを紹介してくれた学生は友達のお兄さんの影響で、小学3・4年生の時に読んだそうです。
彼は現在、量子力学のシュレディンガー方程式を使って化学の元素について研究しているそうです。
水がH2Oのように、一見複雑な世の中の全てがたった118個の元素で説明できるというシンプルさに気づきました。
この考え方は人間関係にも応用され、どんなに複雑な人間関係の悩みも、細かく分解して単純化すれば解決できると考えるようになりました。
これにより、自分の非に気づき、困難を乗り越えることができるようになったと言います。
はてしない物語
映画「ネバーエンディング・ストーリー」の原作としても知られるドイツの児童向けファンタジー小説です。
少年が本を読み進めるうちに物語の世界に入り込み、そこでヒーローになるというストーリーです。
小学2・3年生の時にこの本を読んだという学生は、現在、物理学で量子論や相対論、統計力学などを学んでいます。
「物語自体を物語にする」という設定から、自分の人生も客観視し、「自分自身が物語の主人公」だと捉えるようになりました。
この考え方により、人生の様々な決断において「主人公ならこうするはずだ」と主体的に考え、努力や挑戦ができるようになったそうです。
たとえ失敗して落ち込んだ時でも、「これは悩むフェーズなんだ」と捉え、落ち込んだことにさらに落ち込むことがなくなったと言います。
数の悪魔-算数・数学が楽しくなる12夜
謎解き・脱出ゲームを作るクリエイターの松丸亮吾さんも推薦する、算数・数学が楽しくなる児童向け読み物です。
全12話の物語形式で、愉快な「数の悪魔」が素数や分数、三角形の魅力をイラスト付きで面白く分かりやすく教えてくれます。
この本を面白いと語るのは、現在暗号理論(Wi-Fiなどでデータが盗まれないようにする技術)を研究している学生です。
これを紹介してくれた学生は数学への「とっつきにくい」イメージが変わり、学校で習わないような奥深い内容に触れ、数学の面白さを知ったと言います。
「難しいことでも分かりやすく説明すれば、面白く、相手に納得してもらえる」というコミュニケーションの姿勢も学んだそうです。
この分かりやすく伝える姿勢のおかげで、主張するタイプだった彼も、周りと円滑な人間関係を築くことができたそうです。
ワイド版 風雲児たち 全20巻・幕末編 全34巻
ワイド版 風雲児たち 全20巻・幕末編 全34巻:713円~
1979年に連載が開始された長編歴史漫画で、関ヶ原の戦いから幕末までを詳細かつ面白く描いています。
登場人物の心情までユーモアを交えて描かれ、ドラマや歌舞伎にもなっています。
これを紹介してくれたのは法律専攻の学生で、もともと歴史が好きだったが、この漫画が法律を学ぶきっかけになったと言います。
現在学んでいる法律も、江戸時代からの積み重ねで今に至るという経緯を知り、物事の「本質」や「背景」を深く探求することの大切さに気づきました。
与えられた情報をそのまま受け入れるのではなく、「深掘りして本質に到達する」という探求心や根本的な価値観を身につけることができたそうです。
まとめ
幼い頃の読書体験がいかにその後の人生の基盤となる思考力、問題解決能力、そして人間性までもを形成する上で重要であるかがよく分かりますね。
紹介された本は、単なる知識の羅列ではなく、それぞれの分野における「考え方」や「見方」を教えてくれるものであり、それが東大生の現在の活躍に繋がっていると考えられます。
本を通じて得られる深い洞察や多角的な視点は、年齢に関わらず私たちの人生を豊かにしてくれる普遍的な力を持っていると改めて感じました。