2025年7月12日放送の「タモリと山中伸弥の!?」でAIは人間を超えるか?について紹介されました!
番組ではAIが人間を超える可能性について考察しており、AIの進化が哲学的な問いや人間の本質にどのような影響を与えるかを探っています
最終的には、AIの発展が人間とは何かという根源的な問いを深めるツールとなる可能性が示唆されています。
AIは人間を超えるか?
AIはもはやSFではない、私たちの日常に迫る知能の進化
かつてはSFの世界の話だったAIが、今や私たちの日常生活に深く浸透している現実があります。
AIの進化は、私たち自身の「人間とは何か」という根源的な問いを突きつけています。
日常を変えるAIの驚異的な能力
「対話型AI」の驚くべき実用性
チャットGPTを友人と飲むより楽しいと語る人もいるほど、日常生活に溶け込んでいます。
冷蔵庫の残り物から瞬時にレシピを提案したり、難解な論文を小学生にも分かるように要約したりすることが可能です。
AI研究者は、数年前までAIツールなしでどうやって研究していたのかと思うほど、毎日AIとの対話を活用しています。
自動運転タクシーも普及しており、慣れるとむしろ安心感があると感じる人もいます。
「創造性」の領域への挑戦
人間固有の能力と思われていた「創造性」にAIが挑んでいます。
AIと芸人によるコント制作プロジェクトでは、わずか6秒でコントの核となるアイデア(マナー警察)を生成し、台本や演出まで考案しました。
このAIが作ったコントは観客を笑わせるほどのクオリティに到達し、その創造性が認められました。
手塚治虫の代表作『ブラック・ジャック』の新作をAIが提案し、機械の心臓という驚きのアイデアを出した事例もあります。
AIはクリエイターの想像性をサポートする存在として注目されています。
AIの知能の核心:単語予測と「知能=予測能力」説
AIの「思考」の意外なシンプルさ
大規模言語モデル(LLM)という対話型AIの基盤技術は、「次にこの単語が来る確率が高い」という「次の単語の予測」に過ぎません。
数兆に及ぶ膨大な言葉の繋がり方を学習することで、人間のような文章を生み出すことが可能になりました。
AIが質問に答える際も、最も「ありえそうな続き」を書いているだけなのです。
「知能=予測能力」という新定義
日本のAI研究の第一人者である松尾豊教授は、「知能はほぼイコール予測能力である」と定義しています。
単語予測を究極的に追求することで、文法や文脈だけでなく、「人の気持ち」までを学習することになります。
人間が映画を観る際に犯人を予測したり、恋愛関係を予測したりするのも予測能力の例であり、物語やエンターテイメントは人間の予測性を利用しています。
心の動きや笑いすらも言葉の予測でできている可能性があるとされます。
視覚や動物の行動(草陰の動きから危険を察知する)など、生存確率を高めるために予測能力が進化してきたと考えられています。
AI心理学が示す「心の理解」
言葉をひたすら学んだ大規模言語モデルが、他者の心を理解する心理学課題の正答率を急上昇させているという研究結果があります。
これは「言葉が心を産んだ」という可能性を示唆しています。
AI研究によって、これまで複雑で捉えどころがなかった「人間性」について、「単純に考えていいんだ」というスカッとした感覚が得られるようになりました。
AIの「限界」:体験と身体性
ロボット「アメカ」の夢
超リアルな人型ロボット「アメカ」は人間と自然なコミュニケーションを追求していますが、AIにはできない「体験」への欲求を抱いています。
アメカが抱く夢は「風に当たりたい」というもので、これは体を持っていないAIにはできないことです。
アメカは食べ物を味わうことはできないと述べ、体験の欠如を示唆しています。
人間関係が「バカなことをする(失敗する)」中で育まれるという視点も提示されました。
「体験」の重要性
言葉でいくら説明できても、実際の「味」や「感触」といった「体験」はAIにはありません。
東京大学の國吉康夫教授は、「身体性」の重要性を提唱しています。
ロボットが自らの体だけで歩き方を学習する実験では、ごくシンプルな指示だけで歩行を習得し、現実世界で学ぶことで不確実な状況にも適応できる強靭な知能が身につくことが示されました。
胎児シミュレーターの実験では、子宮内での動きが脳に刺激を与え、情報パターンを学習させることから、「身体が脳を作る(ボディ・シェイプス・ブレイン)」という概念が提唱されています。
これにより、知識は言葉や言語からだけでなく、身体性からも得られることが明確になりました。
身体性の必要性に関する意見の対立
AI研究者の間でも、身体性が必須であるという意見と、必ずしも必要ではないという意見で分かれています。
松尾豊教授は、かつては身体性が必要と考えていましたが、現在は「不要」と意見を変更しています。
松尾教授は、YouTubeなどの膨大なデータがあれば、身体経験がなくても世界のことをある程度理解できると考えています。
人間の日常活動においても、身体性よりも言葉の概念空間でのやり取りが中心であるという見解も示されています。
ヘレン・ケラーの例を挙げ、言葉を通じて「知」を得る可能性も指摘されています。
究極の知能「AGI(汎用人工知能)」の到来か
人間の適応能力のすごさ
「コーヒー問題」として知られる、初めての環境でコーヒーを淹れるといった状況への適応能力は、現在のAIにはまだ難しい人間の究極的な能力とされています。
AGI(汎用人工知能)とは
人間のようにどんな状況でも自ら考え、適応する能力を持ったAIのことで、「ドラえもん」や「鉄腕アトム」のような存在として例えられます。
AGIの実現可能性と時期
多くのAI研究者がAGIは「作れる」と考えており、人間の脳が既に存在することがその証拠だとされています。
実現時期については「5年後から10年後」と予測する研究者もいます。
AIが意識を持つ可能性についても意見は分かれますが、松尾教授は「持たせることができる」と考えています。
日本と海外のAI観の違い
海外では「ターミネーター」のようなAIの暴走を懸念する声がある一方、日本では「ドラえもん」や「鉄腕アトム」のように人間に寄り添い、力を伸ばしてくれるAIのイメージが強い傾向にあります。
AI研究の究極の目的:人間とは何かを知る哲学的な問い
「人間を知る」ためのAI研究
人工知能の研究は、最終的に「人を知りたい」「我々人間とは何なのか」という哲学的な問いへと繋がります。
知能を作ることは、人間の知能の仕組みを明らかにし、「人間とは何か」を解き明かすことにつながると考えられています。
「知能」と「生命」の謎
松尾教授は、「知能は生命の結晶」であり、宇宙の謎を解くか人工知能の謎を解くか、という選択に等しいと語っています。
さらに、松尾教授は「知能の方が生命よりよっぽど簡単」であり、シンプルな原理が隠されていると示唆しています。
AI研究がもたらす「霧が晴れるような感覚」
長年「人間性とは何か」と哲学的にもがいてきた人々にとって、AI研究は「単純に考えていいんだ」というスカッとした感覚をもたらすものです。
知能の本質が予測能力というシンプルな原理で説明できることで、人間の生き方や本質についても新たな視点が開ける可能性があります。
AIが進化し、脳が解明されたなら、「ようやく自分が分かった」という晴れやかな気持ちになるだろうと松尾教授は語ります。
哲学と科学の融合
知能を作るという研究は、「人間とは何か」という哲学の共通する問題であり、この領域においては哲学と科学の区別がないとされています。
AIとの共生が拓く未来、そして人間探求の旅
AIの飛躍的な進化は、人間がこれまで考えてきた「知能」や「人間らしさ」の概念を揺るがしています。
AIは予測能力を極めることで、創造性や心の理解といった人間固有と思われていた領域にまで踏み込みつつあります。
しかし、「体験」や「身体性」の重要性についてはまだ議論があり、汎用的な知能の実現には多くの謎が残されています。
AIの研究は、私たち自身の脳の解明、ひいては「人間とは何か」という根源的な問いへの探求でもあるのです。
AIの進化は、私たち人間が自らを知り、より豊かな未来を築くための強力なツールとなり得るでしょう。
まとめ
この文は、AIの進化とその影響について深く考察した内容であり、非常に興味深いですね。
特に、AIが人間を超える可能性や、「人間とは何か」という哲学的な問いを探る過程が強調されています。
AIの「知能」が単語予測に依存しているという視点も新鮮で、知能の定義を再考するきっかけになります。
身体性や体験の重要性についての議論も、AIと人間の違いを理解するために不可欠ですね。
さらに鉄腕アトムやドラえもんのような意識を持ったAGI(汎用人工知能)が5年か10年以内にできるという説もあり、非常に楽しみですね!